Works

ひなたの家

都市区画整理事業が進む街の中の、鰻の寝床。
街の歴史がスタートしたばかりのような均質でフラットな住環境のなか、生活の定位の手がかりを、太陽の光に求めました。
天窓が切り取る光が、その時々の位置にその時々の輪郭を描き、その情景がこの場所に固有性を与えます。
住まい手が、住戸内のさまざまな場所にそれぞれの居心地を見出し、それぞれ固有の時間を感じることができるような住宅を目指しました。
所在地 :東京都足立区
用  途:個人住宅(夫婦・子供2人)
規模・構造:地上2階・木造
敷地面積:43.42㎡/13.13坪
建築面積:30.30㎡/9.16坪
延床面積:51.97㎡/15.72坪
竣  工:2020年11月
構造設計:ビーファースト
施工会社:(株)オオバ工務店

Review

施主からの声
駅から近く、職場へのアクセスの良い都内に家を建てることが夢でした。
都内は地価が高いため必然的に狭小住宅になるであろうと考えていました。
調べていく中で狭小地での私たちの理想とする家づくりは難しいのではないかと諦めかけていましたが、一度、建築家に相談してみようと思い「建築家31会」が主催するイベントに足を運んだのが2019年2月のことです。
土地が狭くても工夫次第で理想の家ができると狭小住宅の模型を見せて説明してくださったのがアトリエハコ建築設計事務所さんでした。
後日、検討中の土地の情報を共有し、実際に敷地も見てもらい提案してもらったのが、私たちが予想もしていなかった2階建てのプランでした。
個室はコンパクトながらも天井高のあるLDKの大らかな空間と収納の豊富さが気に入り、私たちの家づくりがスタートしました。
また、建築家と建てる家は高いというイメージを持っていましたが、施主の目線に立ってコストを抑えた合理的なプランを提案をしてもらえたことも私たちが設計を依頼した決め手です。
その後、基本的な設計に大きな変更はなく、打ち合わせでは主に元々ある家具や小物の活かし方を検討したり、イメージを共有しながら内装や建具を決めていきました。
外壁はバブアーのジャケットのような色にしたいと希望したところ同系色のサンプルを数多く取り寄せてもらい、晴れの日と曇りの日に屋外で何度も見比べて望み通りの色を選ぶことができました。
私たちのライフスタイルや趣味を汲み取ってもらえていたので打合せの時間はとても有意義でした。
施工業者は数社見積もりを取らせていただきましたが、最終的に施工をお願いしたオオバ工務店さんは大変丁寧な仕事をしてくださいました。
2020年11月に完成した「ひなたの家」に住み始めて5か月が経ちました。
料理や食事をしながら、リビングで遊ぶ子供たちの姿を眺めたり、天窓が切り取る光を見て楽しんでいます。
息子は天窓から月や飛行機を見つけては大喜びしています。
生まればかりの娘は、リビングでひなたの温もりを感じているようです。
限られた敷地と予算でも理想を諦めない家づくりが実現できたのは七島先生と佐野先生のおかげです。
素敵な家を設計してくださり本当にありがとうございました。

Other works