――「歯医者は口の中を見れば、育児放棄や虐待の兆候を見抜けるだろう。地域や親族との交流がなく、孤立した保護者の第一発見者にもなり得る。生活や育児に不安を抱えた親の異変を敏感に察知することが巡り巡って地域に貢献することになる。なにもなく平穏であるのがいちばんだけど、異変があればきちんと気づく”目”となり、子供の健康を守る砦たらん、という意味を込めて、夜警の梟を想像した。それで、月と梟歯科」
――　神原月人『しょーもな記 』https://onl.bz/XcSW1sw　より引用

診療台一台と待合室から成る、歯科医院の計画。
ヴィンテージマンション住戸のリノベーションです。
限られたスペースに最大限の広がりをもたらす仕掛けとして、受付カウンター・待合室ソファ・図書執筆コーナーを円弧状の什器で設えました。
各コーナーが柔らかく連続した「森の図書室」をイメージした空間は、「地域における歯科医院の在り方」に対する施主のヴィジョンを表現したものです。
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