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赤塚の住宅

約25坪の旗竿敷地。

アプローチ両側を隣家に挟まれ、南側を完全に塞がれた敷地。この敷地状況を踏まえ、周囲環境に頼らずに気持ちよく生活できる住宅を目指した。

至近距離となる隣家の玄関と視線が交錯しないよう玄関レベルを半階上げた。建物内においてもそのままのリズムで空間が半階ずつスキップしていくような空間構成とすることにより、建物全体として部屋間の行き来のストレスが無い住空間となった。

敷地境界沿いに壁を立ててプライバシーを確保した上で内側にテラスを設けた。リビングに連続するアウターリビングとしてのテラスと、洗面脱衣室に連続する物干テラス。これらのテラスを階段でつないだことにより、フロアとテラスがそれぞれスキップしながら連続し、吹抜けの周りを内外でぐるっと回遊できるプランとなった。

一見閉じた箱ながら、空間の広がりを感じられるインテリア。行き止まり感のない回遊性により、内外のヒエラルキーが消失することにより、住まい手が、光や風をより身近に感じられる空間となるのではないかと考えた。
The site is a narrow L shaped site that is located on Tokyo’s typical dwelling environment would be surrounded by the buildings around.
The client maked a request good balance of privacy and openness to us.
We created internal areas and terraces on skip floors, and linked these areas in a loop around the central void, while concealing from surrounding neighbors by the wall that is along site boundary.
所在地 :東京都板橋区
用  途:個人住宅(夫婦・子供2人)
規模・構造:地上2階・木造
敷地面積:84.57㎡/25.58坪
建築面積:44.82㎡/13.55坪
延床面積:77.51㎡/23.44坪
竣  工:2012年5月
構造設計:平岡建築構造研究所
施工会社:サンヨー住宅

Review

施主からの声
都内で家を持つことを考え始めた時、狭小住宅はどんな感じか知りたくなり、オープンハウス巡りをしている中で出会った建築家さんでした。
オープンハウス巡りを通して多くの建築家さんに相談させていただきましたが、アトリエハコさんは、小さい敷地でも設計次第で十分豊かな暮らしができることを実感できた数少ない建築家で、かつ施工費も安価に抑えていたところも我が家のニーズに合致していたので、ぜひお願いしたいと強く思い、赤塚の住宅が実現しました。
設計は我々の取り止めのない要望を聞いてもらうところから始まり、相当数の設計案を提案してもらった中からたどり着いたものでした。特に狭い土地の中で、開放的な室内空間と外からの視線を遮る閉鎖性という相反する要素を素晴らしいアイデアとデザインで実現してくださいました。具体的にはリビングとユーティリティーを階段でつないだデッキを設け、リビングとデッキの間は広めのガラスで一体感を出すことで開放感を実現し、デッキの壁は周辺が将来建て替わっても覗かれることがない高さに設定していただきました。
我々の漠然とした要望は次々と大胆なアイデアで実現されていきました。子供達の部屋や奥さんの家事スペース、書斎スペースなどの具体的な要望には、まさにミリ単位の調整とレイアウトで限られた土地に詰め込んでもらったような設計でした。
また、施工費についても本当に無理を聞いていただき、ゾーンによって内装仕上げを変えたり、外装も安価なものを使いながら張り方を工夫することでデザイン性を高めたり様々な工夫で目標の費用を実現してもらいました。
特に内装の合板仕上げは、貼り合わせに目地を作ってもらったり、色目を統一してもらうことで、壁紙などよりもずっと上品で雰囲気の良い仕上げになりました。また、棚や壁掛けを自作する時にも気兼ねなくネジを打てるので、住み始めてからも生活に合わせた工夫がとてもし易く、とても楽しく暮らしています。本当に住み始めてからも手を入れていくことがとても楽しみで、素晴らしいキャンバスを用意してもらったような感じです。
今でも細々とした改善やレイアウト変更などの要望にも丁寧に対応していただいておりますし、竣工したら終わりにせず、作品は一生子供のように見守ってくれる対応にもいつも感謝しており、本当にお願いしてよかったと心から感じて日々を過ごしています。

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