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元住吉のラウムプラン

敷地南側を隣家に完全に塞がれた、東西に細長い敷地。
南側隣家の上部を越えて射し込む日光をキャッチすべく、片流れ屋根の最頂部に孔を穿ちました。

建物のボリュームは、高度地区斜線により、長辺である北側の軒高に制約を受けることになります。
トコロテン状の細長い片流れ屋根の下に3層分の空間を収めようとすると、それぞれの空間の天井高さが十分に確保できないことが予想されたため、部屋単位での空間構成ではなく、身体の振る舞いに応じた多様な高さの集合として、空間を構成することを試みました。

身体を休める横臥姿勢の寸法、学習や身支度の為のミニマルな寸法、リフティングやバレエの練習の為の身体運動の余地を含む寸法、そして建物最頂部で採り入れた光を内部に供給する吹き抜けの超越的な寸法。
「階」という単位に囚われずに、上記の様々な寸法を自由に組み合わせコンパクトに納めることにより、片流れの大屋根の下おおらかに連続する明るいLDK空間を実現しました。

玄関から2階のダイニングキッチンへ至る家族の様々な活動の場を兼ねた動線は、「階段数段分の高さ」を単位としてスキップフロアとして組み立てられた、つい上り下りしたくなる『トレッキング的感覚』が楽しめる空間。

個々の小さな空間は、上記の活動的な場とは対象的な穴蔵的な居心地よさを獲得し、建物全体として住まい手家族の様々な「気分」を受け止め得る、懐の深い住空間となりました。
所在地 :神奈川県川崎市
用  途:個人住宅(夫婦+子供3人)
規模・構造:地上2階(スキップフロア)木造
敷地面積:85.21㎡/25.77坪
建築面積:43.38㎡/13.12坪
延床面積:78.50㎡/23.74坪
竣  工:2014年12月

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